Jリーグ経営分析

チケット価格が高くても見たいクラブは?チケット単価ランキング【Jリーグデータ分析】


今回は、チケット単価のランキングを見ていきたいと思います。

クラブの経営目標の1つは、利益拡大です。

利益を拡大するためには、売上の拡大が必須となります。

売上は、スポンサーからの広告費用や入場料収入で構成されます。

その中で入場料収入に着目すると、

入場料収入 = チケット単価 × 入場者数

で計算することが出来ます。

これまで入場者数に関する情報は見てきましたが、今回は入場料収入を構成するもう1つ要素の「チケットの単価」について分析していきたいと思います。

チケット単価の計算方法

前提条件になりますが、各年度のチケット単価は「入場料収入 ÷ 総入場者数」で計算しています。

また、入場料収入には「リーグ」と「ルヴァンカップ」が含まれています。

しかし、今回は総入場者数には「リーグのみ」の数字を使用して算出しています。

チケット単価 = 入場料収入(リーグ+ルヴァンカップ)÷ 総入場者数(リーグのみ)

その為、誤差が発生することになります。各クラブのルヴァンカップの入場者数にもよりますが、少しチケット単価が高くなる傾向があります。

入場料収入と総入場者数の内容についても確認しておきます。

入場料収入

入場料収入はチケットを購入した金額の総額です。自由席もあれば、SS席のような高額の座席もありますし、子供料金もあります。

また、同じ座席だったとしても、ファンクラブ会員向けの割引や前売り券などで、チケットの価格が変わってきます。

それも含めて、チケットとして購入してもらった金額の合計です。

総入場者数

総入場者数には、チケットを購入したファンもいれば、ファンクラブやスポンサーの無料招待券で興味を持って来場した方もいらっしゃいます。

どちらも含めて入場者数にカウントされています。

その為、いくら観客が多くても無料の招待券での来場だったり、割引チケットのようなものであれば、チケットの単価は安くなります。

逆に、入場者数が少なくても多くの人が高額の座席を購入していればチケット単価は高くなることになります。

極端な例で同じ入場者数100人だったとしても、自由席100人よりSS席100人の方がチケット単価は高くなります。

カテゴリ別のチケット単価

まずは、カテゴリー別のチケット単価の推移です。

2020年はコロナの影響で、例年とは異なる数字となってしまっているので2010年~2019年のデータを対象として見ていきます。

年度別チケット単価

J1は入場者数も増加傾向でしたが、チケット単価も増加傾向です。
入場者数の増加が単なる無料招待券のバラマキをしているのではなく、しっかりと有料入場者数を増やせていることがわかります。

J2は横ばいとなっています。

最低金額でも自由席(ゴール裏)で当日大人2000円が多いと思いますが、平均単価が1200円ということは、招待券の割合も相当あることが推測されます。

J3は入場者数は減少傾向ですが、チケット単価は逆に増加していました。

入場者数の分析の所で、減少の歯止めが必要とコメントしていたのですが、実は入場者数の減少分は無料で来ていた観客分で、お金を払って見に来ている観客数は変わっていない可能性もありそうです。

強いチームが入ってきて押し上げているようでもなさそうです。

2018年と2019年のJ3に所属しているクラブ構成で異なるのは、以下のチームになります。

2018年所属:鹿児島、琉球

2019年所属:八戸、讃岐、熊本

実際、J3の1チーム当たりの入場者収入は増加しています。

チケット単価ランキング(2019年)

カテゴリの傾向を把握した上で、2019年のクラブ別チケット単価をランキングで見ていきたいと思います。

J1(2019年)

チケット単価2019年J1

入場者数としても1位だった浦和が、チケット単価でも1位となりました。

浦和は、2017年に全てのクラブで初めて、4000円を超えて4,098円となりましたが、2018年に3,186円まで落ち込み、2019年に4000円近くまで回復してきました。

2位に神戸が入っています。神戸は、 ポドルスキーやイニエスタなど有名選手の獲得を利用して、チケット料金の値上げが出来ています。

3位には鳥栖が入りました。こちらは、フェルナンド トーレスの効果もありそうですが、鳥栖は毎年着実に単価を上げてきています。

4位には鹿島、5位には横浜FMが入りました。

5位の横浜FMは、2019年から価格変動制を導入しているので注目ですね。

J2(2019年)

チケット単価2019年J2

2019年は、柏がJ2で戦った年でした。

J2に降格したことで、2018年から比べて300円もチケット単価を落としていますが、J2では1位となっています。

2位には山口が入りました。2019年の山口は、前年に比べて1試合当たりの平均入場者が500人も減っているのに、チケット単価は170円上がっています。

大きな料金改定もなさそうでしたから、招待券や割引券の配布を抑制した結果の可能性が高いです。

以降、大宮・甲府・新潟とJ1経験チームがランクインする結果となりました。

J3(2019年)

チケット単価2019年J3

1位の讃岐は、2019年がJ3に降格した最初の年になりました。

J2を戦った2018年のチケット単価が1147円ですから、J3に降格してからの方が単価が上がっています。

ただし、年間の入場者数が3万人減となっており、入場料収入も3億円減となっています。
この年は、無料のチケット配布を抑制した可能性が高そうです。

2位の北九州は、J3の中では突出した入場料収入となっています。

2018年のチケット単価が1486円でしたから、280円も単価を落としたことになりますが、結果として入場者数は3万人増え、チケット収入は1億7千万円増となっています。

増加トップ5

最新データとなる2019年で見てきましたが、これまでの振り返りとして10年間で単価の増加幅の大きいクラブをランキングにしてみました。

チケット単価増加トップ5

J1の中でも最近勢いのあるクラブが入ってきている印象です。

その中で、着実に単価を上げてきている鹿島は、経営面においても堅実性が光ります。

さらに、上位3クラブの推移を見ていきたいと思います。

年度別チケット単価推移

鳥栖は2012年からJ1を戦っていますが、このタイミングで1100円も単価を上げています。

2014年に落としてしまいますが、それ以降は順調に伸ばし、3000円が届く位置まで来ました。

神戸は10年どころか2016年からの4年間で2000円も単価アップしています。

チケットの単価を上げているのにも関わらず、4年間で年間入場者数も75,000人増加しています。

ポドルスキやイニエスタの加入は、Jリーグを日頃見ていない層にも注目されていましたから、高い価格を払っても良いと考えた層が多かったことになります。

単価アップの成功事例(鳥栖

単価アップの成功事例として、鳥栖をピックアップしてみたいと思います。

2018年7月にフェルナンド トーレスが加入して、大きな注目を浴びました。

在籍していた2018年と2019年の入場者と平均単価は、このようになります。

鳥栖入場者情報

この2年間は、入場者はほとんど変わっていません。

それなのにチケットの平均単価は、320円もアップしました。

たった320円と思うかもしれません。

しかし、約25万人の来場者の単価が320円あがることになります。

「25万人 × 320円 = 8億1千6百万円」の収入増になっています。

では、なぜ平均単価を上げることが出来たかというと、2019年に入場料の改定を行っています。

2018年と2019年の価格表から、一部を取り出してみました。

鳥栖チケット情報

2018年は、GWや夏休みの試合を「+500円」、逆に平日の試合を「-500円」する価格変動制を採用しています。

しかし、2019年は変動制を廃止して全てピックアップの料金(最も高い金額)に変更しています。

2018年の夏にトーレスの加入もあり、強気の価格設定となりました。

その結果、入場者数は落ちず単価のアップに成功したので、入場料収入の増加に成功しています。

トーレスの引退した2020年も料金を変更しなかったので、どう影響するか見えると良かったのですが、残念ながらコロナの影響があり正しく測定することが出来ませんでした。

鳥栖はスポンサーの問題なども発生していますが、頑張ってほしいですね。

ワーストトップ5

次にあまり嬉しくない単価を下げたワースト5です。

1位、2位は何かと一緒になることの多い京都・千葉のコンビになってしまいました。

3位~5位のクラブも降格経験のあるクラブです。

チケット単価増加ワースト5

同じく、ワースト3の10年間の推移をグラフにしてみます。

チケット単価増加ワースト3推移

千葉と京都は、 J2降格後、緩やかに減少傾向が続いています。

J2でも山口のように単価を上げて、入場料収入増加に成功しているチームもあります。

J1昇格時に、チケットの価格自体を上げることが出来れば一番良いのですが、どうしても相手があってのことになるので不確定要素が多くなってしまいます。

有名選手の獲得や昇格以外の方法でのチケット単価を上げる方法の検討も必要です。

チケット単価と収入の関係

ちけっと単価が上がるということは、単純に「チケット価格を上げる」、「招待券を減らす」ことになりますから、入場者数が減る要素となります。

理想は、入場者数を減らさないように単価を上げることです。

直近3年間(2017年~2019年)の間に、チケット単価を上げることが出来たクラブは54クラブ中30クラブでした。

更に、チケット単価を上げても入場料収入を下げなかったのは26クラブになります。
(2017年になかった八戸は除いています)

そのチケット単価を上げられた理由は、「有名選手獲得によること」「昇格によること」がすぐ思いつく理由ですが、それ以外にもありそうです。

収入を増やす為のもう1つの要素としてのチケット単価を上げられた理由、逆に下がっているチームの理由も今後、分類していきたいと思います。

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